🧭自分ラボ📘NSCA-CPT
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CHAPTER 1 領域1 読む目安 約25分 / ⚡暗記ボックス 6

領域1|クライアントに対する面談と評価

出題比率 25%(採点対象 32問/全155問中)


この章の狙い

この領域は「トレーニングを始めるにやること」がすべて。出題は大きく3つに割れます。

出題テーマ 目安 難易度 対策
健康評価・リスク層別化 約10問 危険因子8つと基準値を丸暗記
体力測定の選択・順序・実施法 約14問 中〜高 「何を測るテストか」を対応づけ
結果の解釈・目標設定 約8問 計算+SMART・行動変容ステージ

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得点戦略: 危険因子の基準値と、テストの実施順序は「知っていれば即答、知らなければ絶対に解けない」典型。ここを落とすと領域1は崩壊します。逆にここさえ固めれば8割は堅い。


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1-1. 初回面談とクライアント/トレーナー関係

⊳ この節の問題を解く(2問・1枚)

面談の目的

初回面談(initial interview)は「契約を取る場」ではなく、相互に適合するかを判断する場です。トレーナーがクライアントを審査するだけでなく、クライアントもトレーナーを見定めている——この双方向性がポイントで、ここを取り違えた選択肢が引っかけで出ます。

面談で達成すべきことは次の4つです。

  1. 相互の適合性の確認 — クライアントのニーズが自分の専門範囲(scope of practice)内に収まっているか。摂食障害の治療や薬の調整のように範囲外の課題があれば、適切な専門家へリファーラルする。

    📘 リファーラル(referral)=紹介・送致のこと。医師・管理栄養士・理学療法士など、その領域の有資格者に引き継ぐこと。「自分でなんとかしよう」とせず引き継ぐ判断ができるかが、試験でも実務でも問われます。

  2. クライアントの理解 — 目標、運動歴、生活習慣、そして時間的・経済的な制約。制約を先に把握しないと、続かないプログラムを作ってしまいます。
  3. サービス内容の説明 — 提供するもの、料金、キャンセルポリシー、セッション時間、緊急時の方針。
  4. ラポールの形成 — 傾聴、アイコンタクト、開かれた質問を通じて。

    📘 ラポール(rapport)=クライアントとの間に築かれる信頼と安心感のある関係。プログラムの中身が正しくても、ラポールがなければクライアントは本音(痛み、挫折、食事の実態)を話してくれず、結果として続きません。

効果的なコミュニケーション

技法 内容
開かれた質問 「はい/いいえ」で終わらない質問。「運動についてどんな経験がありますか?」
閉じた質問 事実確認に使う。「週に何回来られますか?」
傾聴・反射 クライアントの発言を言い換えて返し、理解を確認する
非言語コミュニケーション 姿勢、表情、アイコンタクト。内容そのものより印象を左右する

揃えるべき書類

トレーニング開始前に交わす書類は5種類。名前が似ていて混同しやすいので、「何のための紙か」を1行で言えるかを基準に覚えてください。

書類 目的 重要ポイント
クライアント/トレーナー契約書 サービス内容・料金・責任範囲の合意 双方が署名
健康/医学的質問票(PAR-Q+等) 運動参加リスクのスクリーニング 参加に必ず実施
インフォームドコンセント(同意書) プログラムの内容・リスク・利益の説明と理解 ⚠️ 法的な免責にはならない。トレーナーの安全配慮義務は消えない
免責同意書(waiver)/リスク引受書 過失以外の傷害について訴権を放棄 重過失・故意は免責されない
生活習慣質問票 喫煙、飲酒、睡眠、ストレス、食習慣 プログラム設計の材料

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📘 インフォームドコンセント(informed consent)=「説明を受けたうえでの同意」。何をするか、どんな危険があるか、どんな利益が期待できるかを説明し、クライアントが理解したうえで参加を選ぶ手続き。手続きであって契約ではない点が重要です。

📘 免責同意書(waiver)=あらかじめ訴える権利を放棄してもらう契約書。ただし放棄できるのは「通常の運動に伴う不可避のリスク」までで、トレーナー側の落ち度までは免責されません。

📘 過失(negligence)=有資格者として当然払うべき注意を怠ること。たとえばラックの安全バーを設定せずにベンチプレスの高重量を行わせる、といった行為が該当します。

⚠️ 引っかけ注意 「インフォームドコンセントを取っていれば訴えられない」は誤り。インフォームドコンセントは「リスクを理解して参加した」ことの証明であって、トレーナーの過失(negligence)を免責するものではない。この論点は領域4でも再出題されます。


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1-2. 健康評価とリスク層別化

PAR-Q+(身体活動準備状況質問票)

⊳ この節の問題を解く(3問・2枚)

運動開始前スクリーニングの最も基本的なツールです。テキスト第3版では、従来の PAR-Q ではなく PAR-Q+(PAR-Q for Everyone) の書式が採用されています。ここが第2版からの変更点なので、まず違いから押さえます。

📘 PAR-Q+=旧 PAR-Q を改訂した質問票。名前のとおり「すべての人のための(for Everyone)」版で、年齢の制限がなくなり、「はい」があったときの進み方が変わりました。

旧 PAR-Q PAR-Q+(第3版で採用)
対象年齢 15〜69歳 全年齢(年齢の上限・下限なし)
1ページ目 7項目 7項目(一般的な健康に関する質問)
すべて「いいえ」 運動を開始してよい 運動を開始してよい。ただし低強度から徐々に
1つでも「はい」 医師の診察を受ける 2〜3ページ目のフォローアップ質問に進む
補助ツール なし ePARmed-X+(オンラインでの追加問診)

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1ページ目の7項目は、心臓病・高血圧の指摘、身体活動時の胸の痛み、めまいや意識消失、慢性疾患の診断、慢性疾患に対する処方薬、身体活動で悪化する骨・関節の問題、そして「医師から身体活動を制限されているか」を尋ねるものです。

暗記必須:PAR-Q+ = 1ページ目7項目・全年齢対象すべて「いいえ」→ 運動開始可1つでも「はい」→ フォローアップ質問(2〜3ページ目)へ進む

⚠️ 引っかけ注意 「PAR-Q+で『はい』が1つでもあれば、その時点で運動は禁止」「必ず医師の許可が要る」は誤りです。 PAR-Q+の「はい」はフォローアップ質問に進む合図であって、参加の可否はそこで絞り込みます。 「対象は15〜69歳」も旧 PAR-Q の記述で、PAR-Q+では全年齢が対象です。この2点が版差の狙い目です。

📘 メディカルクリアランス(medical clearance)=運動を始めてよいという医師の許可。「運動テストを受けること」とは別物で、あくまで医師の判断を得ることを指します。フォローアップ質問の結果、リスクが高いと判断された場合にこれを求めます。

冠動脈疾患(CAD)の危険因子 — 最重要

⊳ この節の問題を解く(4問・9枚)

📘 冠動脈疾患(CAD: coronary artery disease)=心臓そのものに血液を送る「冠動脈」が動脈硬化で狭くなる病気。狭心症や心筋梗塞の正体がこれで、運動中の突然死の最大の原因でもあります。だからこそ、運動を始める前に「この人はCADのリスクをどれだけ抱えているか」を数え上げる作業(危険因子のカウント)が必要になります。

陽性危険因子(8つ) — 数値がそのまま出題されます。

# 危険因子 基準
1 年齢 男性 45歳以上 / 女性 55歳以上
2 家族歴 第一度近親者のうち、男性は55歳未満女性は65歳未満で、心筋梗塞・冠血行再建術・突然死
3 喫煙 現在喫煙している、または過去6か月以内に禁煙した、または受動喫煙
4 身体不活動 少なくとも3か月間週3日・1回30分以上の中強度身体活動を行っていない
5 肥満 BMI 30 kg/m²以上、またはウエスト周囲径が男性102cm超・女性88cm超
6 高血圧 🔺 収縮期 140mmHg以上 かつ/または拡張期 90mmHg以上別々の機会に2回以上確認)、または降圧薬服用中
7 脂質異常 LDL 130mg/dL以上、または HDL 40mg/dL未満、または脂質降下薬服用中。総コレステロールしか分からない場合は 200mg/dL以上
8 前糖尿病 空腹時血糖 100〜125mg/dL、または経口ブドウ糖負荷試験2時間値 140〜199mg/dL別々の機会に2回以上確認)

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📘 用語の補足

  • 第一度近親者=親・子・兄弟姉妹。祖父母やおじ・おばは含みません。
  • 冠血行再建術=詰まった冠動脈の血流を回復させる治療。バルーンで広げるステント治療(PCI)と、別の血管でバイパスを作る手術(CABG)が代表。
  • LDLコレステロール=血管壁に溜まって動脈硬化を進める「悪玉」。HDLコレステロール=余分なコレステロールを回収する「善玉」。だからLDLは高いと悪く、HDLは低いと悪い(そして高ければ良い)。
  • 経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)=ブドウ糖75gを飲み、2時間後の血糖値を測る検査。空腹時血糖では拾えない「食後の処理能力の低下」を検出できます。
  • 前糖尿病(prediabetes)=糖尿病の診断基準には届かないが正常でもない、いわば糖尿病予備群の状態。

陰性危険因子(1つ)

陽性因子とは逆に、あるとリスクを下げる因子です。合計から1つ引く、という独特の扱いをするので出題されやすいところ。

危険因子 基準 扱い
高HDLコレステロール HDL 60mg/dL以上 陽性因子の合計から 1つ引く

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覚え方:「年・家・煙・不・肥・圧・脂・糖」= 年齢/家族歴/喫煙/不活動/肥満/血圧/脂質/血糖

⚠️ 引っかけ注意

  • 家族歴は「男55未満・女65未満」。本人の年齢基準(男45・女55)と数字が違うので混同必至。
  • HDLは 40未満で陽性60以上で陰性。40〜59は「どちらでもない」。
  • 血圧と血糖は「別々の機会に2回以上」の測定が必要。1回の高値では危険因子とみなさない。

計算例:危険因子のカウント

例題 52歳男性。BMI 27.5、ウエスト周囲径 95cm。血圧は別々の機会に 138/86 mmHg と 142/88 mmHg。 総コレステロール 210 mg/dL、HDL 62 mg/dL。喫煙歴なし。父親が58歳で心筋梗塞。 週2回・各40分のウォーキングを6か月継続。危険因子はいくつか。

項目 判定 理由
年齢 +1 男性45歳以上
家族歴 ❌ 0 父の発症が58歳=55歳以上なので該当しない
喫煙 ❌ 0
身体不活動 +1 週2回=週3日未満なので基準を満たさない
肥満 ❌ 0 BMI 27.5 < 30、ウエスト 95cm ≤ 102cm
高血圧 ❌ 0 2回中1回のみ140/90以上。「別々の機会に2回以上」を満たさない ※判断が分かれる場合は保守的に扱う
脂質異常 +1 総コレステロール 210 ≥ 200
前糖尿病 ❌ 0 データなし
陰性因子 −1 HDL 62 ≥ 60

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合計 = 3 − 1 = 2個 → 症状がなければ 中等度リスク

主要な徴候・症状(心血管・肺・代謝性疾患を示唆)

危険因子が「将来の確率」を示すのに対し、徴候・症状は「すでに何かが起きているサイン」です。したがって1つでもあれば、危険因子の数に関係なく高リスクに分類されます。

  • 安静時または労作時の、胸部・頸部・顎・腕などの痛みや不快感(心筋の虚血=血流不足によると思われるもの)
  • 軽い労作での息切れ — 階段を1階分上がっただけで息が上がる、など
  • めまい、失神
  • 起座呼吸(横になると苦しく、起き上がると楽になる。心不全で肺に水が溜まると起きる)
  • 発作性夜間呼吸困難(就寝後しばらくして息苦しさで目が覚める。同じく心不全のサイン)
  • 足首の浮腫 — 心臓のポンプ機能低下で下肢に体液が滞る
  • 動悸、頻脈
  • 間欠性跛行(かんけつせいはこう。歩くと下肢が痛くなり、休むと消える。下肢の動脈が狭くなっているサイン)
  • 心雑音
  • 日常活動での異常な疲労感・息切れ

リスク層別化と対応 🔺

⊳ この節の問題を解く(3問・4枚)

判定は必ず上から順に行います。まず「症状や既知の疾患があるか」を見て、なければ危険因子の数を数える——この順番を図で押さえてください。

徴候・症状があるか? または既知の 心血管・肺・代謝性疾患があるか? はい 高リスク 中強度でも医師の許可 いいえ 陽性危険因子(8つ)の合計から 陰性因子を引いた数が 2個以上か? はい 中等度リスク 高強度のみ医師の許可 いいえ(1個以下) 低リスク いずれも許可は不要 医師の許可・監視下運動テストが「推奨」されるか 中強度(3〜6 METs) 高強度(6 METs 超) 低リスク 不要 不要 中等度リスク 不要 推奨 高リスク 推奨 推奨
図1-1 リスク層別化の判定フローと、必要となる医師の許可。「症状・疾患 → 危険因子の数」の順に見る。
分類 条件 中強度運動 高強度運動
低リスク 症状なし+危険因子 1個以下 医学的検査・運動テスト 不要 不要
中等度リスク 症状なし+危険因子 2個以上 不要 推奨
高リスク 徴候・症状あり、または既知の心血管・肺・代謝性疾患を有する 推奨 推奨

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暗記必須:中強度=3〜6 METs(40〜60% VO₂R)、高強度=6 METs超(60% VO₂R超)。

📘 METs(メッツ)=安静時の酸素消費量を1とした、運動強度の倍数。1 MET ≒ 3.5 mL/kg/分。ゆっくり歩行が約3 METs、ジョギングが約7 METs。 📘 VO₂R(予備酸素摂取量)=「最大酸素摂取量 − 安静時酸素摂取量」を100%とした強度の表し方。安静時をゼロ点に置くので、体力の低い人にも当てはめやすいのが利点です。

⚠️ 引っかけ注意:中等度リスクで中強度なら医師の許可は不要。「中等度だから必ず医師へ」は誤り。 なお、より新しいACSMのガイドラインでは危険因子の数え上げをやめ、「現在の運動習慣・既往疾患・症状」の3点から判断するアルゴリズムに移行しています。試験は手元のテキストの記載に従ってください。


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1-3. バイタルサインと安静時測定

⊳ この節の問題を解く(4問・7枚)

バイタルサインとは「生きている徴候」、すなわち心拍数・血圧・呼吸数・体温のこと。パーソナルトレーナーが日常的に扱うのは心拍数と血圧の2つです。どちらも測定手技のわずかな違いで値がずれるため、試験では「値そのもの」より「どう測るか」「なぜずれるか」が問われます。

心拍数

測定部位 特徴
橈骨動脈(手首の親指側) 推奨。安全
頸動脈(喉の外側) 触知しやすいが、強く押すと圧受容器反射で心拍数が低下し、過小評価になる
上腕動脈、側頭動脈 補助的

📘 圧受容器反射(baroreflex)=頸動脈にあるセンサーが「血圧が上がった」と感じると、身体が自動的に心拍数を落として血圧を下げようとする仕組み。頸動脈を強く押すとセンサーが騙され、実際より遅い脈になってしまいます。頸動脈で測るなら軽く触れるだけ、が鉄則です。

  • 安静時心拍数は5分以上の安静座位後に測定
  • 15秒×4、30秒×2、または60秒。測定時間が長いほど正確
  • 成人の安静時心拍数の正常範囲:60〜100拍/分。60未満は徐脈、100超は頻脈

推定最大心拍数

  • 一般式:220 − 年齢(誤差 ±10〜12拍/分と大きい)
  • より精度の高い式:208 − 0.7 × 年齢(Tanakaら)

血圧

測定手順(順序が出題されます)

  1. 5分以上の安静座位。背もたれに背をつけ、足底を床につける(脚を組まない)
  2. 測定前 30分以内のカフェイン・喫煙・運動を避ける
  3. 上腕を心臓の高さに保つ
  4. カフのゴム嚢が上腕周囲の 約80%を覆う幅(幅は上腕周囲の約40%)
  5. 橈骨動脈を触診しながら加圧し、脈が消える点+20〜30mmHg まで加圧
  6. 1拍あたり2〜3mmHg の速度でゆっくり減圧
  7. コロトコフ音 第1点(最初に聞こえた点)=収縮期血圧第5点(消失した点)=拡張期血圧
  8. 初回は左右両腕で測定し、高い方の腕を以後の基準とする

📘 コロトコフ音=カフで一度止めた血流が再び流れ出すときに、血管の中で乱流が起きて生じる音。カフ圧を下げていくと「無音 → 音が出はじめる(第1点)→ 音が続く → 消える(第5点)」と変化します。音が出はじめた瞬間の圧=収縮期血圧、消えた瞬間の圧=拡張期血圧です。

カフ圧 時間 → 加圧完了 K1:最初の音 = 収縮期血圧 K5:音の消失 = 拡張期血圧 無音 音が聞こえる区間 再び無音
図1-2 カフ圧を1拍あたり2〜3mmHgで下げていくと、K1で音が現れ、K5で消える。この2点の圧を読む。

⚠️ 引っかけ注意:カフが小さすぎると血圧は高く出る。大きすぎる低く出る。 腕が心臓よりにあると高く出る。急速に減圧すると収縮期は低く・拡張期は高く出る。

血圧分類 🔺

分類 収縮期(mmHg) 拡張期(mmHg)
正常 < 120 かつ < 80
前高血圧 120〜139 または 80〜89
ステージ1高血圧 140〜159 または 90〜99
ステージ2高血圧 ≥ 160 または ≥ 100

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境界の数字は、収縮期が 120 → 140 → 160、拡張期が 80 → 90 → 100。収縮期は20刻み、拡張期は10刻みで並んでいる、と図で覚えると混乱しません。

収縮期 120 140 160 〜119 120–139 140–159 160〜 拡張期 80 90 100 〜79 80–89 90–99 100〜 正常 前高血圧 ステージ1 ステージ2
図1-3 血圧の分類。収縮期・拡張期のどちらか一方でも上の区分に入れば、その区分として扱う(「または」判定)。

暗記必須:120/80 → 140/90 → 160/100 と20と10ずつ上がる、と覚える。 ⚠️ 危険因子としての高血圧の基準(140/90)は、この表のステージ1以上にあたる。前高血圧は危険因子に数えない。

運動テストの中止基準(主なもの)

  • 狭心症様の症状が出現した
  • 運動強度が上がっているのに収縮期血圧が10mmHg以上低下した
  • 過度の血圧上昇(収縮期 250mmHg超、または拡張期 115mmHg超
  • 息切れ、喘鳴、下肢の痙攣、跛行
  • 灌流不良の徴候(チアノーゼ、蒼白)
  • 中枢神経系症状(運動失調、めまい、意識消失寸前)
  • クライアントが中止を求めた
  • 機器の不具合

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1-4. 身体組成の評価

⊳ この節の問題を解く(5問・9枚)

BMI(体格指数)

⊳ この節の問題を解く(2枚)

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
分類 BMI
低体重 < 18.5
標準 18.5 〜 24.9
過体重 25.0 〜 29.9
肥満 クラスI 30.0 〜 34.9
肥満 クラスII 35.0 〜 39.9
肥満 クラスIII(高度) ≥ 40.0

⚠️ BMIの最大の弱点筋量と脂肪量を区別できない。筋肉質なアスリートが「肥満」に分類される。 「クライアントの体脂肪率を推定する最良の方法は?」という問いで BMI は正解にならない

周囲径

指標 高リスクの基準
ウエスト周囲径 男性 102cm(40インチ)超 / 女性 88cm(35インチ)超
ウエスト/ヒップ比(WHR) 男性 0.95超 / 女性 0.86超(年齢により基準は変動)

同じ体脂肪量でも、どこに付いているかでリスクが変わります。これが周囲径を測る理由です。

  • 内臓脂肪型(リンゴ型/アンドロイド型)= 腹部に蓄積。内臓のまわりに脂肪が付くため、代謝疾患リスクが高い
  • 皮下脂肪型(洋ナシ型/ガイノイド型)= 臀部・大腿に蓄積。リスクは相対的に低い

📘 アンドロイド/ガイノイド=それぞれ「男性型」「女性型」という意味。男性は腹部に、女性は臀部・大腿に脂肪が付きやすい傾向から名付けられました(あくまで傾向で、性別で決まるわけではありません)。

皮下脂肪厚(スキンフォールド)法

皮膚をつまんで、その厚みをキャリパーという専用の測定器で測る方法。皮下脂肪の厚みと全身の体脂肪率には相関があるため、数か所の合計から推定式で体脂肪率を出します。

📘 キャリパー(skinfold caliper)=つまんだ皮膚のひだを一定の圧力(10 g/mm²)で挟み、その厚みをmm単位で読む器具。「一定の圧力」がかかる構造になっているのが要点で、定規で測るのとは違います。

Jackson & Pollock の測定部位 — 男女で違う点が頻出。

方式 男性 女性
3部位法 胸部・腹部・大腿部 上腕三頭筋・腸骨稜上部・大腿部
7部位法 胸部・中腋窩部・上腕三頭筋・肩甲骨下部・腹部・腸骨稜上部・大腿部(男女共通) 同左

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3部位法は男女で大腿部だけが共通、残り2か所が入れ替わる、と押さえてください。

男性(3部位) 女性(3部位) 胸部 腹部(縦のひだ) 大腿部(前面中央) 上腕三頭筋 (上腕背面) 腸骨稜上部 大腿部 ※ いずれも身体の右側で測定する。大腿部のみ男女共通。
図1-4 Jackson & Pollock 3部位法の測定部位。男性=胸部・腹部・大腿部、女性=上腕三頭筋・腸骨稜上部・大腿部。

測定の原則

  1. 原則として身体の右側で測定する
  2. 親指と示指で皮膚と皮下脂肪をつまみ上げる(筋は含めない)
  3. キャリパーはつまんだ位置から 約1cm離したところに、皮膚のひだに垂直に当てる
  4. キャリパーを離してから 1〜2秒後に読み取る
  5. 各部位 2〜3回測定し、ローテーションしながら測る(同じ部位を連続して測らない)
  6. 測定値の差が 1〜2mm以内に収まるまで繰り返す

⚠️ 測定を避けるべき条件:運動直後(皮膚への体液移動で厚みが変わる)、入浴・サウナ直後。

各種測定法の比較

体脂肪率は直接は測れません。どの方法も「身体の密度」や「電気の通りやすさ」など別の量を測って推定しているので、必ず誤差が伴います。誤差の大きさと、その原因を押さえるのが出題ポイントです。

方法 原理 誤差の目安 特徴・注意点
水中体重秤量法 身体密度(アルキメデスの原理) ±2.7% 長らくゴールドスタンダード。残気量の測定が必須。設備・時間・水への抵抗感が課題
空気置換法(BOD POD) 体積を空気の圧力変化で測定 ±2〜3% 水中法より簡便。衣服・毛髪の影響を受ける
DXA 二重エネルギーX線吸収 高精度 部位別に測れる。設備が高価
皮下脂肪厚法 皮下脂肪厚から身体密度を推定 ±3.5% 安価・簡便。測定者の技術に大きく依存
生体電気インピーダンス(BIA) 除脂肪組織の電気伝導性 ±3.5〜5% 体水分量の影響を強く受ける
近赤外線法(NIR) 光の吸収・反射 やや大 簡便だが精度は劣る

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📘 用語の補足

  • 残気量=息を限界まで吐き切っても肺に残る空気の量。水中体重秤量法では、この空気が浮力になって体重を軽く見せてしまうため、必ず実測または推定して補正します。
  • DXA(デキサ)=2種類の強さのX線を当て、骨・脂肪・除脂肪組織を分けて測る装置。もともと骨密度測定用の機械です。
  • 生体電気インピーダンス(BIA)=身体にごく弱い電流を流し、その通りにくさ(抵抗)を測る方法。水分の多い除脂肪組織はよく電気を通し、脂肪は通しにくいという性質を利用します。だから体水分量が変わると値がぶれます。

BIA 測定前の条件 — そのまま出題されます。

  • 測定前 4時間:飲食しない
  • 測定前 12時間:運動しない
  • 測定前 48時間:アルコールを摂取しない
  • 利尿薬を服用しない(医師の指示がある場合を除く)
  • 測定直前に排尿する

⚠️ 引っかけ注意:脱水状態では体水分が減り電気抵抗が上がるため、BIAは体脂肪率を過大評価する。

除脂肪体重と目標体重の計算

📘 除脂肪体重(LBM: lean body mass)=体重から脂肪を除いた分。筋・骨・内臓・水分などの合計です。減量の計算では「筋肉を落とさずに脂肪だけ減らす」と仮定するため、この LBM を一定に保ったまま逆算するのが基本の型になります。

除脂肪体重(LBM) = 体重 ×(1 − 体脂肪率)
目標体重        = 除脂肪体重 ÷(1 − 目標体脂肪率)

例題 体重 90kg、体脂肪率 25% のクライアントが、体脂肪率 15% を目指す。 除脂肪体重が変わらないと仮定した場合の目標体重は?

  1. 除脂肪体重 = 90 × (1 − 0.25) = 67.5 kg
  2. 目標体重 = 67.5 ÷ (1 − 0.15) = 67.5 ÷ 0.85 = 約79.4 kg
  3. 減量すべき体重 = 90 − 79.4 = 約10.6 kg
現在 90.0 kg 除脂肪体重 67.5 kg 脂肪 22.5 kg(25%) 目標 79.4 kg 除脂肪体重 67.5 kg(変えない) 脂肪 11.9 kg(15%) 脂肪 −10.6 kg 除脂肪体重を固定したまま 67.5 ÷ (1 − 0.15) と割り戻す。90 × 0.10 = 9 kg ではない。
図1-5 除脂肪体重を固定して割り戻す。青いブロックの長さが変わらないことが計算の本質。

⚠️ 引っかけ注意:「90kg の 10%(10%=25%−15%)だから 9kg 減らす」は誤り。 分母が変わるため、必ず除脂肪体重を固定して割り戻す

必須体脂肪率:男性 約 3〜5%、女性 約 8〜12%。女性は生殖機能に関わる性特異的脂肪があるため高い。


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1-5. 体力測定

⊳ この節の問題を解く(8問・14枚)

テストの選択基準

概念 定義 ポイント
妥当性(validity) 測ろうとしているものを実際に測れているか 最も重要。妥当性があるテストは必ず信頼性もあるが、逆は成立しない
信頼性(reliability) 繰り返し測ったときの再現性 同一測定者・同一条件で同じ値が出るか
客観性(objectivity) 測定者が変わっても同じ結果が出るか(測定者間信頼性) 手順の標準化で高まる

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妥当性の種類:構成概念妥当性/内容妥当性/基準関連妥当性(併存妥当性・予測妥当性)/表面妥当性

テストの実施順序 — 最重要暗記項目

疲労が後続のテストに影響しないよう、疲労の少ないものから順に実施します。

カテゴリ テスト例
1 非疲労性テスト 身長・体重・体組成、安静時心拍数・血圧、柔軟性垂直跳び
2 敏捷性テスト Tテスト、プロアジリティ(20ヤードシャトル)
3 最大パワー・最大筋力テスト 1RM パワークリーン、1RM ベンチプレス、1RM スクワット
4 スプリントテスト 40ヤードスプリント、100m走
5 局所筋持久力テスト 腕立て伏せ、部分腹筋、YMCAベンチプレス
6 疲労性無酸素性能力テスト 300ヤードシャトル、ウィンゲートテスト
7 有酸素性持久力テスト 1.5マイル走、12分走、YMCA自転車エルゴメータテスト

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実施順(疲労の少ない順) 後続テストに残る疲労 1 非疲労性テスト(体組成・柔軟性・垂直跳び) 2 敏捷性テスト(Tテスト、プロアジリティ) 3 最大パワー・最大筋力テスト(1RM) 4 スプリントテスト(40ヤード走) 5 局所筋持久力テスト(腕立て・部分腹筋) 6 疲労性無酸素性能力テスト(300ヤード) 7 有酸素性持久力テスト(1.5マイル走) ※ 垂直跳びが 1 に入る点に注意。バーの長さは「その種目のあとにどれだけ疲労が残るか」のイメージ。
図1-6 テストは「後に残る疲労が小さいものから」並べる。この一本の軸で7段階すべてが説明できる。

覚え方:「非・敏・力・走・持久(局所)・無酸素・有酸素」 疲労が最も残るもの(無酸素性能力・有酸素性)を最後に置く、と理解すれば導出できます。

⚠️ 引っかけ注意

  • 垂直跳びは「非疲労性」に入る(1回の跳躍でほとんど疲労しないため)。「最大パワーだから3番目」は誤り。
  • 1回のセッションで有酸素性テストと無酸素性テストを両方行うのは避けるのが原則。やむを得ない場合は別日に分ける。

柔軟性テスト

テスト 対象 注意点
座位体前屈(sit-and-reach) 下背部とハムストリングス ウォームアップ後に実施。反動をつけない
肩の柔軟性テスト 肩関節複合体 左右差を確認
ゴニオメーター(角度計) 個別の関節可動域 定量的で客観性が高い

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筋力テスト(1RM)

📘 RM(repetition maximum/最大反復回数)=その重量で「正しいフォームで挙げられる限界の回数」。1RM は1回だけ挙げられる最大重量、10RM は10回が限界の重量を指します。筋力の指標としても、プログラムの強度設定の基準としても使う、NSCA教材の中心概念です。

1RM 測定のプロトコル

  1. 軽い負荷で 5〜10回のウォームアップ
  2. 1分間休息
  3. 負荷を増やし(上半身 10〜20%/下半身 10〜20%)、3〜5回実施
  4. 2分間休息
  5. さらに負荷を増やし、2〜3回実施
  6. 2〜4分間休息
  7. さらに負荷を増やし、1RM試技
  8. 成功したら 2〜4分休息して増量、失敗したら 2〜4分休息して減量
  9. 5回以内の試技で1RMを決定するのが理想(それ以上は疲労で過小評価になる)

推奨種目:上半身=ベンチプレス、下半身=レッグプレスまたはスクワット

%1RM と反復回数の対応 — 領域2でも使う最重要表

反復回数(RM) %1RM
1 100%
2 95%
3 93%
4 90%
5 87%
6 85%
7 83%
8 80%
9 77%
10 75%

例題 クライアントが 80kg で 10回のベンチプレスを実施できた。推定1RMは?

10RM = 1RM の 75% なので、 1RM = 80 ÷ 0.75 = 約107 kg

相対筋力 = 1RM ÷ 体重。体重の異なるクライアント同士を比較するときに用いる。

筋持久力テスト

テスト 実施法
YMCAベンチプレステスト 男性 36.3kg(80ポンド)、女性 15.9kg(35ポンド)。メトロノーム 60拍/分(挙上と下降で各1拍 = 30回/分)に合わせ、ペースを保てなくなるまで反復
腕立て伏せテスト 男性はつま先を支点、女性はを支点。ペースを一定に保ち限界まで
部分腹筋(partial curl-up) 膝屈曲、腰椎を床につけたまま肩甲骨を浮かせる。1分間の回数

無酸素性パワー・能力テスト

テスト 測定するもの
垂直跳び 下肢の瞬発的パワー(無酸素性パワー)
マーガリア・カルメン階段駆け上がりテスト 下肢のパワー
立ち幅跳び 下肢のパワー(水平方向)
300ヤードシャトルラン 無酸素性能力(解糖系持久力)
ウィンゲート無酸素性テスト 30秒間の最大パワー・平均パワー・疲労指数

マーガリア・カルメンテストのパワー計算

パワー P(W)= 体重(kg) × 9.81 × 垂直距離(m) ÷ 時間(秒)

例題 体重 70kg のクライアントが、垂直距離 1.05m を 0.50秒で駆け上がった。パワーは?

P = (70 × 9.81 × 1.05) ÷ 0.50 = 721.0 ÷ 0.50 = 約1442 W

敏捷性テスト

テスト 内容
Tテスト T字コースを前進・サイドステップ・後進で走る。方向転換能力
プロアジリティ(20ヤードシャトル) 5-10-5ヤード。左右への切り返し
Illinois アジリティテスト ジグザグを含む長めのコース

有酸素性持久力テスト

最大テスト

テスト 特徴
ブルース法・バルケ法(トレッドミル) 段階的に強度を上げ、疲労困憊まで
直接法(呼気ガス分析) VO₂maxの最も正確な測定法。設備が必要

📘 VO₂max(最大酸素摂取量)=1分間に体内へ取り込める酸素の最大量(mL/kg/分)。有酸素性能力の代表指標で、これが高いほど持久力が高い

最大下テスト — 一般クライアントにはこちらが中心

「最大下(submaximal)」とは、疲労困憊まで追い込まずに途中でやめるテストのこと。安全性が高く、医学的監視がなくても実施しやすいため、パーソナルトレーナーが実務で使うのはほぼこちらです。その代わり、得られるのは推定値になります。

テスト 特徴
YMCA 自転車エルゴメータテスト 3分間のステージを進め、心拍数が 110〜150拍/分 の定常状態にある2点から VO₂max を外挿
Åstrand-Ryhming 自転車テスト 6分間の単一負荷。ノモグラムで推定
YMCA 3分ステップテスト 12インチ(約30cm)台、96歩/分、3分間。終了後の回復心拍数で評価
ロックポート 1マイルウォークテスト 1マイルを最速で歩く。年齢・性別・体重・所要時間・終了時心拍数から推定

📘 定常状態(steady state)=一定の運動強度を続けたときに、心拍数や酸素摂取量が横ばいに落ち着いた状態。まだ上昇している途中の心拍数を使うと推定がずれるため、YMCAテストでは各ステージを3分続けて定常状態を待ちます。 📘 外挿(extrapolation)=測定した2点を結んだ直線を、測定範囲の外側まで延長して未測定の値を読むこと。「心拍110〜150の2点から、最大心拍数のところまで線を伸ばして VO₂max を読む」のがまさにこれです。 📘 ノモグラム=計算式の代わりに、線を引くだけで答えが読み取れる図表。

フィールドテスト

📘 フィールドテスト=実験室の機器を使わず、体育館・グラウンド・公園などで実施できるテストの総称。安価で一度に多人数を測れる反面、環境(気温・風・路面)の影響を受けます。

テスト 内容
12分間走(クーパーテスト) 12分間で走った距離から推定
1.5マイル走 1.5マイル(約2.4km)の所要時間から推定
1マイル走 上記より短い距離版

最大下テストの3つの前提(出題されます)

  1. 心拍数と酸素摂取量が直線関係にある
  2. 推定最大心拍数(220−年齢)が実際と一致する
  3. 各人の機械的効率が一定である(同じ仕事量なら同じ酸素消費)

これらは常には成り立たないため、最大下テストは推定値であり誤差を含む。


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1-6. 結果の解釈と目標設定

⊳ この節の問題を解く(3問・5枚)

結果のフィードバック

⊳ この節の問題を解く(1問・1枚)

  • 標準値・パーセンタイル順位と比較して現在地を示す
  • 前回の自分との比較も併せて示す(相対的成長が動機づけになる)
  • 弱点だけでなく強みも必ず伝える
  • 専門用語を避け、クライアントが理解できる言葉で説明する
  • 医学的診断はしない(トレーナーの業務範囲外

SMART な目標設定

文字 意味
S — Specific 具体的 「痩せる」ではなく「体脂肪率を3%下げる」
M — Measurable 測定可能 数値で確認できる
A — Action-oriented / Attainable 行動志向・達成可能 本人の行動で変えられる
R — Realistic 現実的 期間と現状に照らして妥当
T — Timed 期限つき 「12週間で」

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目標の階層

  • 短期目標(数週間〜数か月)を積み重ねて 長期目標 に至る設計にする
  • 短期目標は達成しやすく設定する(成功体験が自己効力感を高める)
  • 結果目標(体重−5kg)より、行動目標(週3回来館する)の方がコントロールしやすく継続しやすい

行動変容ステージモデル(トランスセオレティカルモデル)

⊳ この節の問題を解く(1枚)

📘 トランスセオレティカルモデル=「汎理論的モデル」。人が行動を変えるとき、いきなり変わるのではなく5つの段階を順に進むという考え方です。実務上の意味は明快で、相手がいる段階に合った働きかけをしないと逆効果になるということ。境界はすべて「6か月」と「1か月」で区切られます。

前熟考期 6か月以内に 変える気なし 熟考期 6か月以内に 変えるつもり 準備期 1か月以内に 始めるつもり 実行期 始めてから 6か月未満 維持期 6か月以上 継続している ← 情報提供・意識の高揚が中心(プログラムはまだ出さない) 具体的な計画・再発予防 → ※ どのステージからも前の段階へ逆戻り(リラプス)しうる。逆戻りは失敗ではなく想定内として扱う。
図1-7 行動変容の5ステージ。境界の「6か月」「1か月」が出題される。
ステージ 状態 有効な働きかけ
前熟考期 6か月以内に変える気がない 情報提供、意識の高揚。運動プログラムを押しつけない
熟考期 6か月以内に変えるつもり メリット/デメリットの整理、障壁の同定
準備期 1か月以内に始めるつもり/すでに一部実行 具体的な計画づくり、目標設定
実行期 始めて6か月未満 強化、ソーシャルサポート、再発予防
維持期 6か月以上継続 逆戻り(リラプス)の防止、変化をつけて飽きさせない

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⚠️ 引っかけ注意:前熟考期のクライアントに詳細なトレーニングプログラムを提示するのは不適切。 ステージに合った介入を選ぶ問題が頻出します。

自己効力感を高める4つの情報源

📘 自己効力感(self-efficacy)=「自分ならこれをやり遂げられる」という見込み感。運動の継続を予測する最も強い心理的要因の一つで、やる気(動機づけ)とは別物です。「やりたい」と思っていても「自分にはできそうにない」と感じていれば行動は続きません。

  1. 遂行行動の達成(成功体験)— 最も強力。だから短期目標は達成しやすく設定する
  2. 代理的経験(自分と似た人の成功を見る)— 同年代・同体力のクライアントの例が効く
  3. 言語的説得(励まし、肯定的フィードバック)— 効果はあるが単独では弱い
  4. 生理的・情動的状態(体調がよい、運動後に気分がよい)— 息切れや筋肉痛を「悪い兆候」と誤解させない説明も含む

⚠️ 引っかけ注意:4つの中で最も強力なのは ①成功体験。「励まし(言語的説得)が最も効果的」は誤り。


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⚡ この章の暗記必須ボックス

【PAR-Q+】     全年齢・1ページ目7項目
                すべて「いいえ」→運動開始可
                1つでも「はい」→フォローアップ質問へ
【危険因子】     年齢 男45/女55 以上
                家族歴 男55/女65 未満
                喫煙 現在 or 6か月以内 or 受動
                不活動 週3日×30分×3か月 を満たさない
                肥満 BMI30 / W102cm / W88cm
                血圧 140/90(2回以上)
                脂質 LDL130以上 or HDL40未満(総コレ200以上)
                前糖尿 空腹時100-125 / OGTT2h 140-199
                陰性  HDL60以上 → −1
【リスク層別】   低=0〜1個 / 中=2個以上 / 高=症状 or 疾患あり
【強度】         中強度 3〜6METs / 高強度 6METs超
【血圧分類】     <120/80 → 120-139/80-89 → 140-159/90-99 → 160以上/100以上
【体脂肪誤差】   水中法 ±2.7% / 皮下脂肪厚 ±3.5%
【スキンフォールド】男 胸・腹・大腿  女 三頭筋・腸骨稜上・大腿
【BIA条件】     4時間絶食 / 12時間運動なし / 48時間禁酒
【必須体脂肪】   男 3〜5% / 女 8〜12%
【テスト順序】   非疲労→敏捷→最大筋力パワー→スプリント→局所筋持久力
                →無酸素性能力→有酸素性
【YMCAベンチ】  男80lb(36.3kg) / 女35lb(15.9kg) / 60拍/分=30回/分
【YMCA自転車】  3分ステージ / 心拍110〜150で外挿
【ステップテスト】12インチ台 / 96歩/分 / 3分
【1RM推定】     10RM=75% / 8RM=80% / 5RM=87% / 3RM=93%
【行動変容】     前熟考→熟考→準備→実行→維持

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領域1で確立した「クライアントの現在地」を、実際のトレーニング変数に落とし込むのが 領域2 プログラムプランニング(31%)。 本章の %1RM 表体力測定の結果解釈は、そのまま次章の負荷設定に接続します。

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